【バウ】漫画はどんな話?ネタバレなしあらすじ|面白い?平成を駆け抜けた“おバカ犬”ギャグ漫画を解説
「バウ!」の一声で、だいたい誰かの平和が終わる。
『バウ』をぼんやり覚えている人なら、この理不尽さだけで少し思い出せるはず。可愛い犬が出てくる漫画だった記憶より、一匹の犬に周囲がめちゃくちゃにされる漫画だった記憶の方が強い。しかも、その記憶はたぶんだいたい合っている。
この漫画の強さは、犬が可愛いことではない。もちろん見た目は愛嬌がある。けれど、中身はかなり自由。食欲、好奇心、破壊衝動、その全部が少しずつではなく、最初からだいぶ強い。人間側が「今日は普通に終わるかもしれない」と思った場面ほど、たいてい壊れる。朝ごはんも、仕事も、近所付き合いも、強そうな大人の威厳も、一匹の犬でかなり簡単に終わる。その雑さと速さが、『バウ』の笑いの芯になっている。
しかも、バウは悪意で暴れているわけではない。食べたいから食べる。入りたいから入る。気になるから突っ込む。ただそれだけ。だから余計にたちが悪いし、余計に面白い。人間側が必死なほど、バウの本能のまっすぐさが際立つ。今読むと、平成初期のギャグらしい勢いと荒さがむしろ新鮮で、「そうそう、こういう速さだった」と懐かしさごと戻ってくる。
この記事では、『バウ』がどんな話なのかをネタバレなしで整理したうえで、基本情報、作品の特徴、なぜ今でもちゃんと笑えるのか、どんな人に向くのかまで順に掘っていく。
作品はどんな話?ネタバレなしあらすじ
『バウ』の中心にいるのは、一匹の犬・バウ。
見た目だけなら、少しとぼけた愛嬌のある犬。でも中身はかなり自由で、食欲も好奇心も行動力も、全部が強すぎる。原作では、売れない漫画家・倉元の生活へ入り込み、その後は犬神家を中心に騒動を巻き起こしていく。つまり最初から「犬との心温まる日常」にはならない。来た瞬間から空気が壊れる犬として話が始まる。
やること自体はかなり単純。
食べ物を見つけたら向かう。入りたい場所があれば入る。気に入った相手がいればまとわりつく。嫌なら暴れる。文字にすると、ほぼ全部の行動原理が本能寄り。でも、その本能が人間社会の中へ突っ込まれると、だいたい事件になる。家の中は荒れるし、仕事は進まないし、近所も巻き込まれる。しかもバウ本人には「自分がトラブルの中心」という自覚がかなり薄い。その無邪気さが、余計に被害を大きくする。
この作品の面白さは、ストーリーの大きな目的より、一匹の犬が今日どこまでやらかすかにある。とはいえ、ただ毎回暴れて終わるだけではない。倉元や犬神家、周囲の人間との関係が積み重なっていくので、シリーズとしての居心地もちゃんとある。バウがいるだけで生活は壊れる。でも、いなくなると少し寂しい。そんな変な愛着が出てくるあたりも、この漫画の強さ。
一文で言えば、『バウ』は、一匹の破天荒な犬が人間社会の平和と常識を片っ端から壊していく、平成ギャグ漫画のかなり強い一本。
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基本情報
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作者:テリー山本
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掲載誌:ビッグコミックスペリオール
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巻数:全11巻
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完結状況:完結済み
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アニメ:『平成イヌ物語バウ』として放送
全11巻という長さはかなりちょうどいい。長すぎて腰が重くなるほどではないし、短すぎて物足りない感じもない。昔読んでいた人が「あの犬、また見たいな」となった時に、手を伸ばしやすい長さ。しかもアニメで覚えている人なら、原作を開くと「こんな勢いだったか」とかなり早い段階で戻ってきやすい。
懐かしさだけで終わらず、読み返しやすい物量。ここもかなり大きい。
作品の構造
喋らないのに、ずっと主役
バウは人間の言葉を話さない。
長いモノローグもないし、気の利いた台詞で笑わせるタイプでもない。表情、動き、「バウ!」という鳴き声。それだけで、その場の空気を一瞬で壊していく。これがかなり強い。普通のギャグ漫画は、誰かの台詞回しやツッコミで笑いを作る。でも『バウ』は、次に何をするか分からない生き物が一匹いるだけで、場面がもう不安定になっている。
しかも喋らないから、変に理屈づけされない。
「こう考えたからこうした」ではなく、「そうしたかったからそうした」が先にある。だから人間の都合が全部後手に回る。ここがかなり大事で、バウの行動は説明が入るほど弱くなるタイプではない。説明がないからこそ面白い。この野生のテンポが、今読むと逆に新鮮。
平和な場面が一瞬で終わる
『バウ』のギャグは、日常が壊れるまでの速さがかなりいい。
朝ごはん、仕事、近所付き合い、家の中、外出先。人間側が「今日は普通に済むかもしれない」と思った瞬間に、だいたいバウが壊す。しかも壊し方が妙に大きい。小さなイタズラで済まず、気づけば場全体が混乱している。このテンポの良さが、『バウ』の勢いそのものになっている。
そして壊されるのが、だいたい強そうな大人なのもいい。
怖そうな人、威張っている人、面倒くさそうな人。そういう相手ほど、バウの前では脆い。一匹の犬に場を支配される構図が、いちいち気持ちいい。子どもの頃はただ笑っていた場面も、大人になって読むと「この人たち、だいぶ被害者だな」と別の角度で笑えるはず。
本能のまま生きるから、妙に爽快
『バウ』には重たいテーマが前面に出るわけではない。
でも、読んでいて妙に気持ちいいのは、バウが本能のまま生きているからだと思う。食べたい、動きたい、入りたい、遊びたい。そのまま行動する。もちろん現実でやられたら困る。でも漫画として見ると、その遠慮のなさがやけに爽快に見える。人間側が気を遣い、空気を読み、話をまとめようとするたびに、バウが全部ひっくり返す。その感じが、この漫画の変な解放感になっている。
だから『バウ』は、単に犬が暴れて笑える漫画というだけではなく、常識に縛られた人間社会を、一匹の犬が雑に蹴り飛ばしていく漫画としても読める。難しいことは言わない。でも、妙に元気が出る。そこが強い。
この作品が刺さる理由3つ
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「バウ!」の一声で全部が壊れる感じを思い出せる
タイトルを忘れていても、あの理不尽な騒がしさだけは覚えている人が多いはず。読み始めるとかなり早い段階で「ああ、この犬だ」と戻ってくる。 -
強そうな大人ほど振り回されるのが気持ちいい
威張っている人や怖そうな人が、一匹の犬で崩れる。この構図がずっと強い。今読むと、子どもの頃よりそこが面白く見えてくるはず。 -
懐かしさだけで終わらず、今読んでもテンポがちゃんと速い
昔の人気作というだけではなく、ギャグの勢いがまだ生きている。だから「懐かしい」で終わらず、普通に続きを読む力がある。
向き不向き
合わない人
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感動系の動物漫画を求める人
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落ち着いた日常漫画が好きな人
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キャラクターの内面をじっくり追う作品が好きな人
刺さる人
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とにかく笑える漫画が好きな人
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シュールで勢いのあるギャグが好きな人
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平成っぽい元気な漫画を読み返したい人
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アニメの記憶から原作へ戻りたい人
まとめ
『バウ』は、可愛い犬漫画だったというより、
一匹の犬が人間社会の空気を片っ端から壊していくギャグ漫画だった。
「バウ!」の一声で誰かの平和が終わる。
強そうな大人ほど振り回される。
話がまとまりそうになると、だいたいまた壊れる。
たぶん覚えているのは、そういう雑で勢いのある笑いの方だと思う。
今読むと、平成っぽいギャグの速さや荒さがむしろ新鮮。
整いすぎていないぶん、笑いがまっすぐ飛んでくる。
昔アニメを見ていた人も、タイトルだけぼんやり覚えていた人も、1巻を開けばかなり早い段階で思い出すはず。
「ああ、この犬、ひどかったな」
そこまで思い出せたら、たぶん十分。
懐かしい作品をもう一度開く時って、大げさな理由はいらない。
少し懐かしくなって、少し笑えて、またページをめくりたくなる。
『バウ』は、そういう読み返し方とかなり相性がいい。
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