【ダンダダン】面白い?漫画はどんな話かネタバレなし解説|幽霊と宇宙人を両方本気でやる怪作
『ダンダダン』を読んで最初に来るのは、「これ、今までありそうで無かったな」という驚きだ。
幽霊ものもある。宇宙人ものもある。どちらも昔からある強い題材だ。けれど、この二つをここまで真正面からぶつけて、しかも最初から本気で両方出して、そのまま面白い漫画として成立させる発想は意外と見なかった。
しかも、この漫画は発想だけで走っていない。
宇宙人は科学力で侵入してくる。妖怪や怪異は、科学で説明できない超常として立ち上がる。その整理がかなりわかりやすい。だから、やっていることは相当無茶なのに、読んでいる側は置いていかれにくい。カオスなのに読みやすい。この感覚がまず強い。
さらに厄介なのが、画力だ。
うまい、では少し足りない。本当に絵で殴られる感じがある。勢いのある構図、気味の悪い怪異のデザイン、ページの奥まで詰まった情報量。その全部が一気に飛び込んでくる。これが週ごとに積み上がっていくのかと思うと、ちょっとおかしい。
ただ、『ダンダダン』がただの怪作で終わらないのは、その中心にちゃんと青春があるからだ。
モモは頼もしい。かなり男前だし、強い。けれど格好いいだけのキャラで終わらない。一方のオカルンは、最初の頼りなさがあるからこそ、成長がちゃんと気持ちいい。ホラーも、SFも、バトルも、ギャグも、一気に押し寄せる。その真ん中にこの二人がいるから、漫画全体が散らばらずに前へ進む。
『ダンダダン』は、オカルト漫画でも、SF漫画でも、バトル漫画でも、青春漫画でもある。
でも、いちばん近い言い方をするなら、「漫画でできる無茶を、ちゃんと面白さに変え切っている漫画」だと思う。
【ダンダダン】はどんな話?ネタバレなしあらすじ
幽霊を信じる女子高生・綾瀬桃と、宇宙人を信じるオカルトオタクの少年・オカルン。
互いに「相手の信じているものだけはありえない」と思っている二人は、相手を言い負かすために、それぞれ心霊スポットとUFOスポットへ向かう。
そこで待っていたのは、勘違いでも思い込みでもない、本物の怪異と宇宙人だった。
ここから『ダンダダン』は一気に加速する。
モモは超常の力に目覚め、オカルンは強烈な怪異の呪いを受ける。しかもこの漫画は、片方だけを出して引っ張らない。1巻から幽霊も宇宙人も本気で出る。その意外性だけでも強いのに、さらにそこへテンポのいい掛け合いと、異常に見やすいアクションが入ってくる。読み始めると、思った以上にするすると進む。
また、初期の物語にはちゃんとわかりやすい軸がある。
オカルンが怪異に奪われたものを取り戻す、という少し間の抜けた、でも切実な目的だ。これがかなり効いている。ぶっ飛んだ設定が次々に出るのに、話が散らからない。大きすぎない目的があるから、変な事件が続いても一本筋が通って見える。
一文で言えば、『ダンダダン』は、幽霊を信じる少女と宇宙人を信じる少年が、両方が本当に存在する世界で怪事件に巻き込まれながら、戦って、助け合って、少しずつ成長していくオカルティック青春バトル漫画だ。
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基本情報
- 作者:龍幸伸
- 掲載:少年ジャンプ+
- 巻数:既刊22巻
- 完結状況:連載中
- アニメ化:TVアニメ第1・第2期放送済み/第3期決定
- 特徴:圧倒的な画力、幽霊と宇宙人を同時に走らせる発想、ジャンル横断のテンポの良さ
巻数だけ見ると長めに見えるかもしれないが、この漫画はテンポがかなりいい。
一話ごとの引きが強く、次から次へと新しい怪異や事件が来るので、「長い」というより「止まりにくい」に近い。まとめて読むと勢いに飲まれやすく、一気読みとの相性はかなりいい。
しかも入口が広い。
最初の数話で、画力、掛け合い、発想、世界観の方向性がかなりはっきり見える。派手なのに入りやすい。この「無茶なことをしているのに、とっつきにくくならない」感じも、『ダンダダン』の大きな強さだ。
作品の構造
世界観
『ダンダダン』の気持ちよさは、幽霊と宇宙人を「どっちもいる」で押し切っているところにある。
普通なら、どちらかに寄せたくなる。ホラーならホラー、SFならSFとして整理したくなる。けれどこの漫画は、そこを整理しすぎない。むしろ、「じゃあ両方いたら一番面白いだろ」という勢いで始めて、そのままちゃんと成立させてしまう。
ただ、勢いだけではない。
宇宙人側は科学や技術で干渉してくる。怪異側は理屈の外から侵入してくる。だから、読んでいて違いがわかるし、戦い方にも差が出る。発想は無茶なのに、世界の見え方はかなり整理されている。ここが読みやすさに直結している。
さらに、この異常が日常のすぐ横にある感じもいい。
学校、住宅街、トンネル、家の中。異世界へ飛ぶわけではなく、いつもの風景の延長にそのまま怪異と宇宙人が侵入してくる。だからバトルが派手でも、物語が遠くなりすぎない。奇妙なのに近い。この距離感がかなりうまい。
物語システム
この漫画は、とにかく次の一手が早い。
怪異が出る。宇宙人が出る。呪いが動く。仲間が増える。新しい事件が来る。普通なら情報量に潰れそうな展開を、かなりの速度で回していく。なのに読みづらくなりにくいのは、毎回の危機と目的がかなり明確だからだ。助けたい相手がいる。取り戻すべきものがある。目の前の敵がはっきりしている。その軸がぶれない。
そして、その全部を支えているのが画力だ。
この作者は、ただ綺麗な絵を描くのではなく、「何がどう動いているのか」を叩き込むのがかなりうまい。アクションの勢い、怪異の迫力、背景の密度、そのどれも高いのに、画面が死なない。真正面の格好よさだけではなく、斜め、俯瞰、煽り、群像、異形のアップ、その全部に力がある。ここは本当に、この漫画を読まないと伝わりにくい強さだと思う。
さらに大きいのは、感情の切り替えの速さだ。
ホラーで一気にぞわっとさせた直後に、ギャグで空気をひっくり返し、その数ページ後にはアクションで押し切る。そこへラブコメの間合いまで混ざる。普通なら散らかりそうなものを、勢いで誤魔化さず、ちゃんと流れとして成立させている。忙しいのに、むしろ楽しい。この速度感がかなり中毒になる。
作品テーマ
ぶっ飛んだ漫画に見えるが、真ん中にあるのはかなり王道だ。
モモとオカルンは、最初から気が合うわけではない。信じているものも違うし、見ている世界も違う。でも、互いに否定していたものが本当に存在すると知って、そこから少しずつ相手の側へ寄っていく。この流れがあるから、ジャンルの派手さだけで終わらない。
つまり『ダンダダン』は、理解し合うまでの漫画でもある。
自分が信じていなかったものを認めること。相手の見ていた世界を受け入れること。最初は反発していた二人が、戦いを通して少しずつ信頼を積み上げていく。この青春の置き方がかなりうまいから、どれだけ怪異も宇宙人も大暴れしていても、中心の温度が軽くならない。
特にいいのは、モモの強さだと思う。
頼もしい。かなり男前だし、前に出る。けれど、それで可愛さが消えない。ただ守られるヒロインでもなければ、強いだけの記号でもない。このバランスがあるから、モモは読んでいてかなり気持ちいい。一方のオカルンは、最初の頼りなさがあるからこそ、成長がちゃんと熱い。二人の対照があるので、青春パートまでしっかり効いてくる。
この作品が刺さる理由3つ
- 「今までありそうで無かった」を、本気で成立させている
幽霊と宇宙人、ホラーとSF、ギャグとラブコメ。言葉だけなら欲張りに見える。けれど実際に読むと、「これを本気でやるとこうなるのか」と意表を突かれる。思いつきそうで思いつかない。そのうえ、思いついても普通はここまで形にできない。そこがまず強い。
- 画力が「上手い」を越えて、圧として来る
ページの勢いが異常に強い。躍動感のある構図、気味の悪い怪異のデザイン、背景の情報量、その全部が高水準で、しかも死んでいない。ただ綺麗な絵ではなく、読んでいる側に物理的な圧をかけてくる感じがある。ここはこの漫画の最大の武器だと思う。
- モモが格好よく、オカルンの成長が気持ちいい
モモは頼もしいし、男前だし、でもちゃんと可愛い。このバランスがかなりいい。一方のオカルンは、最初の頼りなさがあるぶん、前に出られるようになっていく過程がしっかり熱い。二人の対照がはっきりしているので、バトルだけでなく青春パートまでちゃんと残る。
向き不向き
合わない人
- 落ち着いたテンポでじっくり進む漫画が好きな人
- ホラー、ギャグ、バトル、ラブコメが一作に全部入ると忙しく感じる人
- 情報量の多い画面や、勢いの強い演出が苦手な人
刺さる人
- 「次は何が来るんだ」と思いながらページをめくる漫画が好きな人
- オカルトも宇宙人も両方好きな人
- 強い女性キャラと、成長していく男子主人公の組み合わせが好きな人
- 画力そのものに圧倒されたい人
まとめ
『ダンダダン』は、幽霊と宇宙人を同じ漫画に入れたことが面白いのではない。
その無茶な組み合わせを、最初の数話の勢いだけで終わらせず、ずっと高い熱量のまま走らせているのがすごい。
1巻から幽霊も宇宙人も本気で出る。ホラーも、ギャグも、バトルも、ラブコメも、一気に押し寄せる。普通なら散らかりそうなものを、『ダンダダン』は散らからない。発想で驚かせ、画力で押し切り、テンポで止まらせず、最後にモモとオカルンの関係がちゃんと残る。だから「変な漫画」で終わらず、「ちゃんとめちゃくちゃ面白い漫画」になっている。
特に強いのは、やはりモモの存在だと思う。
頼もしくて、男前で、でもちゃんと可愛い。このバランスがあるから、どれだけ怪異も宇宙人も暴れていても、物語の芯が軽くならない。オカルンの成長も気持ちいい。ぶっ飛んだ設定の漫画なのに、最後に残るのが二人の青春なのがかなりいい。
『ダンダダン』は、「漫画ってこういう無茶ができるから面白い」と思い出させてくる作品だ。
ありそうで無かった設定、絵で殴られるレベルの画力、止まりにくいテンポ、その全部が高い。しかもそれを、思いつきの一発ネタではなく、連載漫画としてちゃんと面白く仕上げている。そこがこの漫画のいちばん強いところだ。
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